に対して、私の経験を踏まえて語ります。
もちろん、東京にも緑が豊かな場所はあるし、東北地方でも仙台や盛岡みたいに栄えている場所があります。
時には、自然を求めたくなり、都会に刺激を求めたくなります。
そこはグラデーションで、白黒つけられません。
それらを踏まえた上で、
私は自然派です。
私の過去のエピソードを絡めて、最後に価値観について深堀します。
私自身、福島県の山奥で幼少期を育ちました。
実家は兼業農家で築50年以上で、カメムシ、ムカデ、ネズミの出現はデフォ。
外の気温と内の気温は、ほぼ同じなので、夏は布団で汗だくだし、冬は布団の中で体を丸めて自分自身で暖をとります。
私が生まれる前に、馬や牛が飼われていた屋根付きのところには、トラクターやコンバインといった農業機械が置かれていたり、地面に引かれた藁の敷物の上に、玉ねぎやカボチャが転がっています。
お家の横に建てられている蔵には、パンパンに詰められた米袋が冷暗されていて、光の届かない2階にはお化けが潜んでいそうでした。
夕方頃から薪(まき)でお風呂をわかし始める五右衛門風呂。
厠(かわや)とよばれるボットン式トイレ。
いずれも、お家の外の離れた場所にありました。
暗い時間帯に、雨や雪をかぶりながら、往復をするのは当たり前でした。
実家は、森と田んぼと川といった自然で囲まれている、季節を五感で感じることができます。
春はウグイスの鳴き声が聞こえます。
ランドセルを置いて、道に咲いているフキノトウを取ってきては、祖母に天ぷらを作ってもらいました。
初夏から、田んぼにはイモリやカエルの卵、そして大合唱をするカエルたち。
徐々にセミ、ヒグラシたちの大合唱に切り替わっていきます。
お家の庭には、ホタルが飛んでいたり、網戸に見えるのはカブトムシやクワガタかな思っていたら、コガネムシなんてことも。
近くで川釣りをすると、小さなヤマメやオイカワ、ウグイが釣れます。
魚のエサといえば、川に沈む岩をひっくり返して、それにくっ付いた砂利に隠れている、クロカワムシでした。
秋には、稲刈りで肌が痒くなったり、稲の乾燥機の音がうるさくて夜眠れなくなったり。
夕方にはスズムシが鳴きます。クリを拾ってきたり、アケビっていうレアな果物を山になる木々を眺めながら探したり。そして、夜は存在の見えないフクロウが鳴きます。
お外で寒い中、軍手をべちょべちょにしながら、柿の皮をむきながら、お家に吊るし干し柿を作ったり。
地元には、コンビニもホームセンターもありません。
商店街にある、まんじゅう屋さんなどで買い物をします。
おばあちゃんが奥の部屋から、がま口の財布を持ってきて、野口英世を1枚を、私の手に握らせると、私は外の空気を感じながら商店街へ歩いて行きます。
買える分のお菓子やアイスを集めて、駄菓子屋のおばちゃんに千円札を渡します。
お菓子をおまけして貰うこともありました。
やがて、高校生になります。
バスや電車を使うようになると、市街地を一人で歩くのは当たり前に。
自分の心は地方の村から、地方の都会へシフトされます。
大学生活は、神奈川県の横浜でした。
街を歩いていると、緑の割合は少ない。
いびつにもひしめき合う建物やアスファルトだらけです。
周りに楽しみがたくさん転がっていても、お金が無いので、何もできずに遠くを素通り。
自分が自信がないので、イケている人たちや場所に飛び込めません。
周りにチャンスに溢れていても、自分がそれを掴める状態でなければ、虚しさや劣等感、我慢を感じるだけでした。
頑張って、横浜という都会に染まろうとした。
しかし、自分の心がついていけませんでした。
若い頃は、心や容姿の身の丈が、自分で分からないものです。
自分の心以上にオーバーな言動をとります。
「アイツ勘違いしているな」と周りから陰口を言われます。
そのうち、「自分って、そういうキャラではないのかも」とギャップを感じます。
「いや、あなた違うから」といった、相手から思ってもいないリアクションを返ってきて、動揺を繰り返します。
都会と呼ばれる環境。
キラキラしている大学生活。
都会の人たちとの職場関係。
全ての人にオープンで自由なんて虚構です。
結局、選ばれた人だけ。
いろんなコミュニティで勝っている人だけ。
都会は、自分の肌に合わなかった。
東日本大震災とともに、大学を辞めました。
私は福島の実家に帰り、兄からおさがりの車をもらいます。
製造関係の企業に中途入社し、まじめに働くことを決意しました。
そこから、年齢による劣化に抗い自分磨きを頑張りながら、仕事や恋愛に紆余曲折し、今に至ります。
現在、福島県内では都会と呼ばれる場所で、ひとりアパート暮らししています。
百名山から里山、渓谷沿いを歩いたり、沖縄に訪れて透明度の高い海と青い空を眺めたり。
札幌、大阪、福岡、名古屋とった、東京圏以外の大都市を訪れて、観光地を巡ったり、ご当地グルメを味わったり。
地方の中で、適度な都会をすみかにしながら、自己研鑽と心身のアンチエイジングに励みつつ、山奥の実家にたまに帰って自分を原点回帰させる。
休日には、自分が心惹かれる自然や都会を味わうために、遠くまで足を運ぶ。